北区の中古マンション価格推移【2007-2025年】|地区別の坪単価と相場の読み方

北区の中古マンション(中古マンション等)の坪単価は、2007年の2,656,583円から2025年の3,102,229円へと動いてきました。ただし、この18年間は一本調子の上昇ではありません。リーマン・ショック後の下落、2013年からの回復、そして直近3年の急加速という3つの局面をたどっています。

さらに重要なのは、区全体の平均だけを見ても北区の実像はつかめないという点です。北区の中には、区平均を32.5%上回る上十条から、42.3%下回る赤羽台まで、地区ごとに大きな差があります。この記事では、30地区の坪単価データを軸に、北区の相場を「地区別に」読み解いていきます。

北区の中古マンション坪単価はこの18年でどう動いたか

北区の中古マンション 平均坪単価の推移
値(円/坪)
20072,656,583
20082,352,931
20091,941,743
20101,972,520
20111,902,541
20121,719,024
20131,811,318
20141,934,087
20152,036,901
20162,319,291
20172,473,498
20182,510,892
20192,553,483
20202,520,138
20212,537,166
20222,694,700
20232,847,298
20242,894,963
20253,102,229

2007年2,656,583円→2025年3,102,229円、18年間の全体像

北区の中古マンション坪単価は、2007年の2,656,583円から2025年の3,102,229円へと、18年間で約44.6万円/坪の上昇となりました。数字だけ見れば緩やかな右肩上がりですが、途中には2012年の1,719,024円という大きな谷があります。

つまり、2007年の水準を取り戻すまでに約7年かかり、そこからさらに上振れした、というのが正確な描写です。谷から見れば坪単価は約1.8倍に伸びており、購入時期によって損益がまったく違ったことがわかります。

リーマン後の下落局面(2008年2,352,931円→2012年1,719,024円)

最初の局面は下落です。2008年に2,352,931円だった坪単価は、2009年に1,941,743円まで一気に落ち込み、2011年1,902,541円、2012年1,719,024円へと下がり続けました。2008年から2012年までで約27%の下落です。

この時期に北区で買った人は、その後の回復局面で大きな含み益を得た可能性が高い。逆に2007年の高値圏で買った人は、回復までの数年間、含み損を抱えたことになります。相場の底がどこにあったかは、後から振り返ると2012年だったと明確に言えます。

2013年以降の回復とトレンド転換(1,811,318円→2,319,291円)

2013年に1,811,318円と底を打った坪単価は、2014年1,934,087円、2015年2,036,901円、そして2016年に2,319,291円へと段階的に回復しました。ここで2007年の水準に迫り、下落局面からの反転が明確になります。

この3年間は、金融緩和と都心の地価上昇が周辺区へ波及した時期にあたります。北区は都心へのアクセスの良さから、この回復の恩恵を受けやすいポジションにありました。

地区別に見る北区——区平均を上回るエリア・下回るエリア

北区 地区別の平均坪単価(2025年)
順位地区平均坪単価
1上十条411万円/坪区平均比 +32.5%
2西ケ原355万円/坪区平均比 +14.3%
3赤羽355万円/坪区平均比 +14.3%
4王子354万円/坪区平均比 +14.2%
5栄町354万円/坪区平均比 +14.1%
6十条仲原348万円/坪区平均比 +12.2%
7田端347万円/坪区平均比 +11.8%
8堀船340万円/坪区平均比 +9.7%
9東田端337万円/坪区平均比 +8.7%
10岩淵町323万円/坪区平均比 +4.2%
11田端新町323万円/坪区平均比 +4.2%
12上中里321万円/坪区平均比 +3.5%
13滝野川318万円/坪区平均比 +2.5%
14神谷316万円/坪区平均比 +1.9%
15赤羽南314万円/坪区平均比 +1.3%
上位15地区を表示(北区内で3年以上のデータがある30地区)

ここからが本題です。2025年時点の区平均坪単価3,102,229円を基準に、30地区がどう分布しているかを見ていきます。同じ北区でも、区平均を大きく上回るエリアと大きく下回るエリアが併存しているのが実態です。

区平均を大きく上回るエリア(上十条+32.5%、西ケ原・赤羽+14.3%、王子+14.2%)

最も高いのは上十条で、坪単価4,110,393円、区平均を32.5%上回ります。次いで西ケ原(3,546,791円、+14.3%)、赤羽(3,546,660円、+14.3%)、王子(3,543,580円、+14.2%)、栄町(3,539,289円、+14.1%)が続きます。

これらは駅力・生活利便性・再開発期待などが価格に織り込まれたエリアです。特に上十条の突出ぶりは、北区の中でも別格のプレミアムがついていることを示しています。

区平均に近いエリア(王子本町、中里、志茂など±5%以内)

区平均とほぼ同水準のエリアもあります。王子本町は3,100,748円で区平均と実質同値(-0.0%)、中里3,064,331円(-1.2%)、志茂3,052,953円(-1.6%)、赤羽南3,143,916円(+1.3%)、滝野川3,179,323円(+2.5%)などがこの帯に入ります。

この価格帯は「北区の標準的な相場」の目安になります。物件を検討する際、この帯より高ければプレミアムの理由を、低ければ割安の理由を確認する、という判断の基準点として使えます。

区平均を大きく下回るエリア(赤羽台-42.3%、浮間-21.8%、豊島-18.5%)

一方、区平均を大きく下回るエリアもあります。最も低いのは赤羽台で1,790,615円、区平均を42.3%も下回ります。次いで浮間2,426,489円(-21.8%)、豊島2,528,363円(-18.5%)、桐ケ丘2,542,912円(-18.0%)、東十条2,624,143円(-15.4%)が続きます。

これらは駅距離や街の成り立ちが価格に反映された結果です。ただし「安い=悪い」ではありません。予算重視の買い手にとっては、区平均より数十%安く北区に住めるエリアとも言えます。

上昇の局面をどう読むか(何が価格を動かしたか)

最新の坪単価だけでなく、2007年からどれだけ伸びたか(growth_pct)を見ると、地区ごとの「勢いの差」がさらにはっきりします。

2007年比で2倍超に伸びた地区(十条仲原+224.9%、堀船+180.8%、王子+141.7%、上十条+140.6%)

最も伸びたのは十条仲原で、2007年の1,071,704円から2025年の3,482,137円へ、224.9%の上昇です。堀船も1,212,271円から3,404,075円へ180.8%伸びました。王子は1,465,827円から3,543,580円へ141.7%、上十条は1,708,740円から4,110,393円へ140.6%です。

共通するのは、スタート時点の坪単価が低かった地区ほど伸び率が大きい傾向です。かつて割安だったエリアが再評価され、区平均を押し上げる主役になった、という構図が読み取れます。

伸びが小さい・下落した地区(赤羽台-20.8%、東十条-18.7%、滝野川-2.1%、中十条-0.8%)

逆に、18年間で価格を落とした地区もあります。赤羽台は2,262,061円から1,790,615円へ20.8%の下落、東十条は3,229,164円から2,624,143円へ18.7%の下落です。滝野川(-2.1%)、中十条(-0.8%)はほぼ横ばいでした。

注目したいのは、東十条や滝野川、中十条が2007年時点では区平均を上回る高値エリアだったこと。当時高かった地区が伸び悩み、当時安かった地区が急伸した——18年間で北区内の順位が入れ替わったのです。

2016年から2017年にかけての坪単価上昇(2,319,291円→2,473,498円)に見る局面転換

区全体で見ると、2016年の2,319,291円から2017年の2,473,498円への上昇は、回復局面から上昇局面への転換点でした。2018年2,510,892円、2019年2,553,483円と続き、相場は明確に高値圏へ移行します。

2020年は2,520,138円とわずかに調整しましたが、これは一時的なもので、その後は再び上昇に転じました。北区の相場は、この2016〜2017年を境に「戻り」から「上昇」へギアが変わったと整理できます。

地価の騰落率が示す足元の勢い

北区の地価変動率(騰落率)
項目値(%)
直近1年12.2
3年26.2
5年26.3

直近1年+12.17%、3年+26.19%、5年+26.27%の比較で見る加速度

足元の勢いは、地価の騰落率に表れています。直近1年で+12.17%、3年で+26.19%、5年で+26.27%です。ここで注目すべきは、3年と5年の伸びがほぼ同じという点です。

これは、5年間の上昇のほとんどが直近3年に集中していることを意味します。さらに1年で+12.17%という数字は、上昇のペースが直近になるほど加速していることを示しています。

2022年2,694,700円から2025年3,102,229円への短期上昇をどう解釈するか

坪単価で見ても同じことが確認できます。2022年の2,694,700円から2023年2,847,298円、2024年2,894,963円、2025年3,102,229円へ。3年間で約40.8万円/坪の上昇です。

この短期急騰は、買い手にとっては「乗り遅れ」への焦りを、売り手にとっては「高値で売る好機」を意味します。ただし、こうした急加速局面は反動リスクも伴うため、価格の水準感を地区別に冷静に見極めることが重要です。

北区で買う・売るときにこのデータをどう使うか

買い手が坪単価と地区プレミアムから割安・割高を見極める方法

買い手はまず、検討中の物件がある地区の坪単価を区平均3,102,229円と比べてください。上十条(+32.5%)のようなプレミアム地区なら価格が高いのは当然で、問題はそのプレミアムに見合う価値があるか。逆に浮間(-21.8%)や豊島(-18.5%)のような地区は、予算内で北区に住むための現実的な選択肢になります。

さらに、その物件価格を地区の坪単価と照らし合わせれば、地区の中でも割安か割高かの判断ができます。区平均・地区平均・個別物件、この3段階で見るのが賢い買い方です。

売り手が自分の地区の成長率(growth_pct)を売却戦略に活かす視点

売り手は、自分の地区のgrowth_pctを確認してください。十条仲原(+224.9%)や堀船(+180.8%)のように大きく伸びた地区なら、取得時からの値上がり益が期待できます。直近3年の急騰も追い風です。

一方、赤羽台(-20.8%)や東十条(-18.7%)のように価格が下落した地区では、無理な高値設定は売れ残りにつながります。区全体が上昇していても、地区によって事情は異なる——自分の地区の実態に即した価格設定が売却成功の鍵です。

坪単価データの読み方の限界と注意点

最後に注意点です。ここでの数値はすべて坪単価(円/坪)であり、物件の総額でも㎡単価でもありません。坪単価は地区の平均であり、同じ地区でも築年数・駅距離・階数・広さで実際の価格は大きく変わります。

また、西が丘のように2024年時点のデータの地区や、上中里・桐ケ丘・岸町のように起点年が2007年でない地区もあり、成長率の比較には前提の違いがあります。データはあくまで判断の出発点として使い、最終的には個別物件の条件で確かめることをおすすめします。

まとめ

  • 北区の中古マンション坪単価は2007年2,656,583円→2025年3,102,229円。ただし2012年の1,719,024円を底に反転した「谷型」の推移。
  • 区平均だけでは実像はつかめない。上十条は区平均を+32.5%上回り、赤羽台は-42.3%下回る。地区差が非常に大きい。
  • 2007年比で最も伸びたのは十条仲原(+224.9%)、堀船(+180.8%)、王子(+141.7%)。もともと安かった地区の急伸が目立つ。
  • 逆に赤羽台(-20.8%)、東十条(-18.7%)は下落。18年間で北区内の価格順位が入れ替わった。
  • 足元は加速局面。5年+26.27%の伸びのほとんどが直近3年に集中し、1年でも+12.17%。
  • 買い手は「区平均・地区平均・個別物件」の3段階で割安割高を判断。売り手は自分の地区のgrowth_pctを踏まえた価格設定を。

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