大田区の中古マンション価格推移【2007-2025年】|地区別の坪単価と相場の読み方

大田区の中古マンション(中古マンション等)の坪単価は、2007年の坪236万円から2025年の坪299万円まで、この18年で+26.5%上昇しました。ただし「区平均」だけを見ていては、大田区の実態は掴めません。区内53地区の坪単価を並べると、最も高い東蒲田(坪396万円)と最も安い羽田旭町(坪170万円)では2倍以上の開きがあるからです。この記事では、年次推移を局面ごとに分解したうえで、地区別坪単価を主役に据えて相場の読み方を解説します。

大田区の中古マンション坪単価はこの18年でどう動いたか

大田区の中古マンション 平均坪単価の推移
値(円/坪)
20072,364,054
20082,318,585
20092,037,590
20102,071,235
20112,058,540
20121,901,451
20131,969,791
20142,063,336
20152,334,638
20162,432,774
20172,476,062
20182,585,567
20192,635,564
20202,770,740
20212,642,531
20222,764,500
20232,836,416
20242,853,682
20252,989,992

2007年→2025年:坪236万円から坪299万円へ、+26.5%の推移

大田区全体の坪単価は、2007年の坪236万円(2,364,054円)を起点に、2025年には坪299万円(2,989,992円)まで上昇しました。18年間で+26.5%です。ただし、この上昇は一直線ではありません。前半に大きく下げ、後半で取り戻し、直近で再加速するという、3つの局面に分かれています。

2007〜2012年:リーマン後の下落局面(坪236万円→坪190万円)

最初の局面は下落です。2007年の坪236万円から、リーマン・ショックを挟んで坪単価は下がり続け、2012年には坪190万円(1,901,451円)まで落ち込みました。5年間で約2割の下落です。この時期に大田区で購入した人は、結果的に18年間で最も安いタイミングを引き当てたことになります。

2013〜2021年:回復と上昇局面(坪197万円→坪264万円)

2013年に坪197万円(1,969,791円)で底を打つと、そこから長い上昇局面に入ります。2015年に坪233万円、2018年に坪259万円、2020年には坪277万円(2,770,740円)まで駆け上がりました。2021年は坪264万円とわずかに調整しましたが、大きな流れは一貫して右肩上がりです。金融緩和と都心マンション需要の波が、隣接する大田区にも波及した局面といえます。

2022〜2025年:再加速局面(坪276万円→坪299万円)

直近の局面は再加速です。2022年の坪276万円(2,764,500円)から、2023年坪284万円、2024年坪285万円と積み上がり、2025年には坪299万円(2,989,992円)に到達しました。坪300万円の大台が目前です。18年間の高値を更新し続けており、足元の勢いは衰えていません。

地区別に見る大田区——区平均を上回るエリア・下回るエリア

大田区 地区別の平均坪単価(2025年)
順位地区平均坪単価
1東蒲田397万円/坪区平均比 +32.7%
2東嶺町387万円/坪区平均比 +29.4%
3南千束376万円/坪区平均比 +25.6%
4山王373万円/坪区平均比 +24.9%
5雪谷大塚町358万円/坪区平均比 +19.7%
6北馬込355万円/坪区平均比 +18.8%
7蒲田354万円/坪区平均比 +18.4%
8田園調布本町352万円/坪区平均比 +17.7%
9南蒲田347万円/坪区平均比 +16.1%
10北千束346万円/坪区平均比 +15.8%
11新蒲田346万円/坪区平均比 +15.8%
12東馬込340万円/坪区平均比 +13.7%
13大森北337万円/坪区平均比 +12.8%
14北嶺町337万円/坪区平均比 +12.8%
15蒲田本町337万円/坪区平均比 +12.5%
上位15地区を表示(大田区内で3年以上のデータがある53地区)

ここからが本題です。大田区の坪単価は区平均で坪299万円ですが、これはあくまで平均。実際に検討すべきは「自分が見ている地区が、区平均に対してどの位置にあるか」です。

区平均(坪299万円)を大きく上回る地区:東蒲田・東嶺町・南千束・山王

区平均を最も大きく上回るのは東蒲田で、坪397万円(3,966,942円)と区平均比+32.7%です。続いて東嶺町が坪387万円(+29.4%)、南千束が坪376万円(+25.6%)、山王が坪373万円(+24.9%)と並びます。いずれも区平均を2〜3割上回る「割高ゾーン」で、大田区の中古マンション相場のトップ層を形成しています。

区平均に近い中位地区:雪谷大塚町・北馬込・蒲田・田園調布本町

区平均のやや上には中位地区が集まります。雪谷大塚町が坪358万円(+19.7%)、北馬込が坪355万円(+18.8%)、蒲田が坪354万円(+18.4%)、田園調布本町が坪352万円(+17.7%)です。区平均を1〜2割上回る水準で、大田区の中では「標準よりやや高い」実力を持つエリアといえます。

区平均を下回る地区:南久が原・中央・大森南・羽田旭町

一方、区平均を大きく下回る地区もあります。南久が原は坪219万円(区平均比-26.7%)、中央は坪212万円(-29.2%)、大森南は坪210万円(-29.8%)。そして最も低い羽田旭町は坪170万円(1,700,118円)で、区平均比-43.1%です。同じ大田区でありながら、区平均より3〜4割安い水準にとどまっています。

同じ大田区でも坪単価に最大2倍以上の開きがある理由

最高値の東蒲田(坪397万円)と最安値の羽田旭町(坪170万円)を比べると、その差は2.3倍以上。この開きは、駅からの距離、都心・品川方面へのアクセス、住宅地としてのブランド、周辺環境の違いが積み重なった結果です。「大田区だから」という一括りの発想は、購入でも売却でも判断を誤らせます。地区単位で相場を見ることが不可欠です。

上昇の局面をどう読むか——何が価格を動かしたか

2007年比で坪単価が2倍超になった地区(田園調布本町・南千束・南蒲田)の共通点

18年間の伸び率で群を抜くのが、2007年比で坪単価が2倍を超えた地区です。田園調布本町は坪146万円(1,455,464円)から坪352万円へ+141.9%、南蒲田は坪154万円から坪347万円へ+125.0%、南千束は坪168万円から坪376万円へ+123.1%と伸びました。共通点は、出発点の坪単価が低かったこと。安値からの回復余地が大きい地区ほど、上昇率で大きな数字を出しています。多摩川も坪129万円から坪257万円へ+99.7%と、これに近い動きです。

2007年比で坪単価が下落した地区(大森北・南馬込・大森東・西嶺町)の共通点

逆に、18年経っても2007年を下回っている地区があります。大森北は坪385万円(3,852,897円)から坪337万円へ-12.4%、南馬込は坪330万円から坪266万円へ-19.4%、大森東も坪329万円から坪265万円へ-19.4%、西嶺町は坪287万円から坪253万円へ-11.5%です。共通点は、2007年時点ですでに坪単価が高かったこと。当時の高値がその後の水準を上回れていない地区は、下落として記録されています。つまり「2007年に割高だったか、割安だったか」が、18年後の伸び率を大きく左右したわけです。

駅距離・都心アクセスと坪単価上昇率の関係

羽田(+78.1%)、西六郷(+76.6%)、北糀谷(+74.0%)、南六郷(+73.4%)といった地区も高い伸びを示しています。これらは元の坪単価が低かったエリアであり、区全体の底上げの波に乗って割安感が縮小してきたことを物語ります。一方で、絶対水準の高い地区は伸び率が緩やかで、東蒲田(+100.0%)や山王(+90.7%)のように高値でありながら伸び率も高い地区は、実力と勢いを兼ね備えた例外的な存在です。

地区間の伸び率格差が意味すること

伸び率の格差は、「安かった地区が追い上げ、高かった地区が足踏みする」という収れんの動きを示しています。ただし、それでも最高値と最安値の絶対水準の差は2倍以上残ったまま。伸び率だけを見て「安い地区が買い得」と早合点せず、現在の坪単価の絶対水準と合わせて判断することが重要です。

地価の騰落率が示す足元の勢い

大田区の地価変動率(騰落率)
項目値(%)
直近1年7.5
3年18
5年18.4

直近1年+7.5%・3年+18.0%・5年+18.4%の伸び率をどう評価するか

大田区の地価騰落率は、直近1年で+7.5%、3年で+18.0%、5年で+18.4%です。この数字が示すのは、上昇が「まだ続いている」だけでなく「加速している」という事実です。5年で+18.4%、3年で+18.0%ということは、直近3年でほぼ5年分の上昇を出したことになります。

短期・中期・長期で見る上昇ペースの違い

3年で+18.0%、そのうち直近1年だけで+7.5%——単純計算で、直近1年が3年間の上昇の4割強を占めています。上昇の重心が足元に寄っており、相場が終盤の勢いを見せている局面です。購入検討者にとっては「待てば安くなる」という前提が通用しにくい環境、売却検討者にとっては追い風が続いている環境といえます。

区平均の伸びと地区別の伸びのギャップに注目する

注意すべきは、この騰落率は区平均の数字だという点です。地区別に見れば、区平均を大きく上回って上昇している地区も、逆に足踏みしている地区もあります。羽田旭町のように2021年比で-5.3%と下げている地区もあり、区平均の勢いがそのまま自分の地区に当てはまるとは限りません。区平均の伸びと地区別の実態のギャップを常に意識すべきです。

大田区で買う・売るときにこのデータをどう使うか

「区平均」だけで判断しない——地区別坪単価との照合が必須

繰り返しになりますが、大田区は区内で坪単価に2倍以上の差があります。区平均の坪299万円だけを基準にすると、東蒲田(坪397万円)を検討する人は「相場より高すぎる」と誤解し、羽田旭町(坪170万円)を検討する人は「なぜこんなに安いのか」と不安になります。必ず、自分が見ている地区の坪単価と照合してください。

購入検討者:割安地区と割高地区をどう見極めるか

購入検討者は、区平均比のプレミアム率を出発点にすると整理しやすくなります。区平均を上回る東蒲田・東嶺町・南千束・山王は、価格の裏付けとなる立地・環境を確認したうえで判断すべき「割高だが実力あり」ゾーン。区平均を下回る南久が原・中央・大森南などは、割安な分だけ何が価格に反映されているか(駅距離・環境)を見極める必要があります。伸び率が高い地区は、割安感の縮小がすでに進んでいる可能性も踏まえましょう。

売却検討者:自分の地区が区平均に対しどの位置にあるかを知る

売却検討者がまず把握すべきは、自分の地区が区平均に対してプラスかマイナスか、という一点です。東蒲田や東嶺町のように区平均を2〜3割上回る地区なら、区平均を基準にした査定は安すぎる可能性があります。逆に区平均を下回る地区で「大田区の平均は坪299万円だから」と強気の値付けをすると、売れ残りにつながります。地区別坪単価こそが、適正価格の出発点です。

坪単価の推移データを価格交渉・査定の根拠にする方法

坪単価の推移データは、交渉や査定の客観的な根拠になります。購入時なら「この地区の坪単価は区平均を◯%下回っている」と示すことで、割高な提示価格に対して交渉の材料が持てます。売却時なら「区平均は坪299万円だが、この地区は坪◯◯万円で+◯%のプレミアムがある」と説明でき、根拠のある値付けが可能になります。感覚ではなく数字で語ることが、有利な取引につながります。

まとめ

  • 区平均は18年で+26.5%上昇:2007年の坪236万円から、2012年に坪190万円まで下落した後、2025年には坪299万円まで回復・上昇した。
  • 3つの局面:①2007〜2012年の下落 ②2013〜2021年の回復・上昇 ③2022〜2025年の再加速。高値を更新し続けている。
  • 地区間格差は2倍以上:最高値の東蒲田(坪397万円・区平均比+32.7%)と最安値の羽田旭町(坪170万円・-43.1%)で大きな開きがある。
  • 伸び率トップは元が安かった地区:田園調布本町(+141.9%)、南蒲田(+125.0%)、南千束(+123.1%)。逆に2007年に高値だった大森北・南馬込・大森東・西嶺町は今も2007年を下回る。
  • 足元は加速局面:地価騰落率は1年+7.5%、3年+18.0%、5年+18.4%。上昇の重心が直近に寄っている。
  • 判断の鉄則:区平均だけで判断せず、必ず地区別坪単価と照合する。購入は割安・割高の見極め、売却は自分の地区の区平均比を出発点にすること。

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