トミンタワー26号棟は、東京都大田区多摩川二丁目に建つ地上25階建てのタワーマンションです。竣工は1998年で、2025年時点で築26年を超えています(築年は公開情報に基づく推定を含みます)。多摩川という地名が示すとおり、川沿いのゆとりある景観と、田園調布・多摩川エリアの落ち着いた住環境を背景に持つ立地です。25階建てというスケールは、この時代に建設されたタワーとしては存在感があり、エリア内でも目立つランドマーク的な建物といえます。
まず前提として、本記事で扱う価格は「大田区の中古マンション相場(坪単価=円/坪)」であり、トミンタワー26号棟という建物個別の成約価格ではありません。エリア全体の相場を通して、この物件が置かれている市場環境を読み解いていきます。
大田区の中古マンション坪単価は、2007年に約236万円/坪(2,364,054円)でスタートしました。リーマンショックを挟んで2012年には約190万円/坪(1,901,451円)まで下落し、これが直近18年間のボトムです。そこから相場は反転し、2020年に約277万円/坪(2,770,740円)へ、そして2025年には約299万円/坪(2,989,992円)まで水準を切り上げてきました。
2025年の大田区中古マンション坪単価は約299万円/坪(2,989,992円)。2012年のボトム約190万円/坪と比べると、13年間でおよそ1.57倍に達しています。とりわけ2015年以降は下落局面がほとんどなく、緩やかながら一貫した右肩上がりを描いてきました。多摩川二丁目のようなブランド住宅地を含む大田区は、この長期上昇トレンドの恩恵をしっかり受けているエリアです。
一般に、マンションは築年数の経過とともに建物価値が減少していきます。特に築25年を超えると、住宅ローンの審査や税制上の扱いで慎重に見られる場面が増え、価格の下押し要因になりやすいのが定石です。トミンタワー26号棟も築26年超に入り、この観点だけで見れば「築古」に分類される物件です。
しかし、マンションの資産価値は建物の減価だけで決まりません。むしろ土地の希少性、立地エリアの相場トレンド、そしてタワーという規模のブランド性が、築年数のマイナスを打ち消し、上回るケースが数多くあります。大田区・多摩川二丁目という立地は、まさにその典型といえます。
築年数がマイナスに働く一方で、エリア相場そのものが力強く上昇していれば、築古物件でも価格は維持、あるいは上昇します。大田区の坪単価は2020年の約277万円から2025年の約299万円へと着実に伸びており、この地合いは築26年超のタワーにとって心強い追い風です。建物が古くなるスピードよりも、エリアの地価・相場が上がるスピードが速ければ、資産価値は守られるのです。
大田区の相場変化率を整理すると、直近1年で+7.5%(+7.47%)、3年で+18.0%、5年で+18.4%(+18.37%)です。注目すべきは、直近1年の+7.5%というペースが、5年で+18.4%という平均を大きく上回っている点です。つまり足元の上昇が加速していることを示しており、相場が停滞から再加速のフェーズに移っている可能性を読み取れます。築古タワーであっても、この地合いの中では下値不安が小さい局面といえるでしょう。
多摩川二丁目は、東急線の多摩川駅を最寄りとし、隣接する田園調布の高級住宅地イメージを共有するエリアです。多摩川の河川敷や緑地に近く、都心アクセスと自然環境を両立できる点が価格形成の大きな要因になっています。こうした「住みたい街」としての底堅い需要が、大田区全体の相場を下支えしていると考えられます。
大田区は蒲田・大森・田園調布・多摩川など、エリアごとに相場水準が異なります。区全体の平均坪単価が約299万円/坪という水準に対し、多摩川・田園調布方面はブランド性が高く、区内でも上位の価格帯を形成しやすいエリアです。区平均が長期で右肩上がりを続けている以上、その中でも人気の高い多摩川二丁目は、相場の上昇局面をより享受しやすいポジションにあります。
地上25階のタワーマンションは、供給戸数が限られる希少性の高い物件タイプです。眺望・共用施設・スケールメリットといったタワーならではの価値は、築年数を重ねても評価されやすく、中古市場での流通性(売りやすさ)にもつながります。多摩川エリアで25階建てのタワーというカテゴリー自体が限られるため、売却時の買い手需要が見込みやすい点は資産価値を考えるうえで見逃せません。
大田区の相場は2012年の約190万円/坪をボトムに、13年にわたって上昇基調を続けてきました。2025年の約299万円/坪は、この長期上昇局面の中でも過去18年で最高値の水準です。歴史的な高値圏にあること自体は事実ですが、これは「天井」というより、需要に支えられた構造的な水準訂正と捉えるのが自然です。
上昇一辺倒に見えるトレンドの中で、唯一の調整局面が2021年でした。2020年の約277万円/坪(2,770,740円)から2021年には約264万円/坪(2,642,531円)へと一時的に下落しています。しかし2022年には約276万円/坪(2,764,500円)まで戻し、2023年約284万円、2024年約285万円、2025年約299万円と再び上昇軌道に復帰しました。この動きは、2021年の下落が一過性の調整にすぎず、相場の基調はあくまで上向きであることを裏付けています。
判断材料を整理すると、①相場は過去18年で最高値圏、②直近1年の上昇率+7.5%が5年平均を上回り加速中、③2021年の調整を乗り越えて再上昇——という三点です。売却を考える人にとっては、高値圏でかつ上昇が続く今は有利な売り時の条件がそろっています。一方、購入を考える人にとっても、上昇が加速している局面で「待つほど高くなる」リスクがある以上、多摩川二丁目のような希少立地なら早めの決断に合理性があります。売り・買いどちらの立場でも、動くべき材料が整った局面といえるでしょう。
エリア相場をもとに、2020年に購入し2025年に売却したケースを試算します。なお、これは大田区の中古マンション相場を使った参考リターンであり、トミンタワー26号棟個別の実際の損益を示すものではありません。2020年の坪単価は約277万円/坪(2,770,740円)、2025年は約299万円/坪(2,989,992円)。この5年間の上昇率は+7.9%となります。
坪単価の差額は約21.9万円/坪(219,252円)です。仮に70㎡=約21.2坪の住戸で考えると、坪あたり約21.9万円 × 約21.2坪でおよそ460万円強の値上がりに相当します。もちろんこれはエリア相場ベースの単純計算であり、実際には仲介手数料や税金などのコストが差し引かれますが、それを差し引いても2020年に取得していれば含み益が出ている水準といえます。ボトムの2012年(約190万円/坪)と比べれば、その差はさらに大きくなります。
今後を見積もる際の指針となるのが、直近の変化率です。過去5年で+18.4%、直近1年で+7.5%という実績を踏まえると、大田区の相場が現在のペースを維持すれば、今後5年でも二桁台の上昇余地が期待できる計算になります。もちろん金利や景気の変動リスクはありますが、多摩川二丁目という希少立地と長期上昇トレンドを前提にすれば、保有継続によるリターンも十分に狙える環境です。購入・売却の具体的な資金計画やライフプランと合わせて、判断材料を増やしておくことをおすすめします。