練馬区の中古マンション(中古マンション等)は、この18年でいったん大きく沈み、そこから着実に切り返してきました。ただし「区の平均」だけを見ていると、実際の売買では判断を誤ります。練馬区の中では地区ごとの坪単価に最大で78ポイントもの開きがあるからです。この記事では、まず区全体の坪単価推移を局面ごとに整理し、次に45地区の最新坪単価を区平均と照らし合わせて、どこが割高でどこに伸びしろが残るのかを具体的な数値で読み解きます。
| 年 | 値(円/坪) |
|---|---|
| 2007 | 2,332,296 |
| 2008 | 1,930,422 |
| 2009 | 2,003,063 |
| 2010 | 1,978,992 |
| 2011 | 1,783,800 |
| 2012 | 1,742,053 |
| 2013 | 1,779,029 |
| 2014 | 1,793,098 |
| 2015 | 1,945,880 |
| 2016 | 2,102,597 |
| 2017 | 2,193,901 |
| 2018 | 2,288,593 |
| 2019 | 2,266,140 |
| 2020 | 2,424,109 |
| 2021 | 2,269,610 |
| 2022 | 2,387,186 |
| 2023 | 2,442,087 |
| 2024 | 2,637,166 |
| 2025 | 2,623,677 |
練馬区の中古マンション坪単価は、2007年の約233万円/坪(2,332,296円/坪)から2025年の約262万円/坪(2,623,677円/坪)へと、18年間で約12.5%上昇しました。数字だけ見ればゆるやかな右肩上がりですが、この間は一本調子ではありません。前半で2割以上沈み、後半で5割近く戻すという、はっきりとしたV字型を描いています。相場の実感を掴むには、この「谷」と「戻り」を分けて見る必要があります。
2007年の約233万円/坪をピークに、坪単価は下落へ転じます。2008年に約193万円/坪へ急落し、2011年約178万円/坪、そして2012年に約174万円/坪(1,742,053円/坪)で底を打ちました。ピークの2007年からの下落率は約25%。4分の1が失われた計算です。リーマンショックとその後の景気低迷が、練馬区の中古マンション相場を5年かけて削り込んだ局面でした。
2013年以降は反転局面です。2013年約178万円/坪、2015年約195万円/坪、2018年約229万円/坪と段階的に切り上がり、2020年には約242万円/坪まで回復しました。2021年に一度約227万円/坪へ調整するものの再び上昇し、2024年に約264万円/坪(2,637,166円/坪)と、2007年のピークを超える過去最高値を記録しています。底の2012年から見れば約51%の上昇。10年強かけて、下落分を取り戻したうえでさらに水準を押し上げたことになります。
2025年は約262万円/坪(2,623,677円/坪)で、前年比マイナス0.5%とわずかに反落しました。ただしこれは高値からの小幅な足踏みであり、下落トレンドへの転換とは読みにくい水準です。2024年の最高値をつけた直後の横ばいと捉えるのが自然で、相場は依然として過去18年で最も高い圏内にあります。買い手にとっては割安感が薄く、売り手にとっては十分に高い水準が続いている、というのが現在地です。
| 順位 | 地区 | 平均坪単価 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 石神井町 | 331万円/坪 | 区平均比 +26.3% |
| 2 | 豊玉中 | 323万円/坪 | 区平均比 +23.3% |
| 3 | 栄町 | 311万円/坪 | 区平均比 +18.7% |
| 4 | 豊玉北 | 288万円/坪 | 区平均比 +9.9% |
| 5 | 立野町 | 288万円/坪 | 区平均比 +9.8% |
| 6 | 桜台 | 285万円/坪 | 区平均比 +8.8% |
| 7 | 東大泉 | 285万円/坪 | 区平均比 +8.7% |
| 8 | 中村北 | 281万円/坪 | 区平均比 +7.2% |
| 9 | 練馬 | 280万円/坪 | 区平均比 +6.8% |
| 10 | 平和台 | 279万円/坪 | 区平均比 +6.4% |
| 11 | 上石神井 | 274万円/坪 | 区平均比 +4.3% |
| 12 | 北町 | 273万円/坪 | 区平均比 +4.0% |
| 13 | 南田中 | 271万円/坪 | 区平均比 +3.1% |
| 14 | 向山 | 270万円/坪 | 区平均比 +3.0% |
| 15 | 豊玉上 | 267万円/坪 | 区平均比 +1.6% |
ここからが本題です。練馬区は45地区の坪単価データがあり、それぞれが区平均(2025年で約262万円/坪)からどれだけ乖離しているかを`premium_pct`として示せます。最も高い石神井町の+26.3%から、最も低い大泉町の-52.1%まで、その差はおよそ78ポイント。同じ「練馬区の中古マンション」でも、選ぶ地区次第で坪単価が体感で倍近く違うということです。区平均という一つの数字だけを頼りに検討を進めるのが危険な理由は、この振れ幅の大きさにあります。
区平均を明確に上回るのは、石神井町(約331万円/坪、+26.3%)、豊玉中(約323万円/坪、+23.3%)、栄町(約311万円/坪、+18.7%)の3地区です。続いて豊玉北が約288万円/坪(+9.9%)、立野町が約288万円/坪(+9.8%)、桜台が約285万円/坪(+8.8%)と並びます。石神井公園エリアと、練馬・桜台・豊玉といった区東部の主要駅圏が上位を占めており、交通利便性と生活基盤の厚みが坪単価に素直に反映されている構図です。
逆に区平均を大きく下回るのが、大泉町(約126万円/坪、-52.1%)、西大泉(約155万円/坪、-41.1%)、三原台(約158万円/坪、-39.8%)です。南大泉(約187万円/坪、-28.9%)、大泉学園町(約199万円/坪、-24.2%)も含め、区北西部の大泉方面が下位に集中しています。鉄道駅から距離のあるエリアが多く、坪単価の絶対水準では区内で最も手が届きやすいゾーンといえます。価格の安さをどう評価するかは、後段の成長率と合わせて判断する必要があります。
注目したいのは、premium_pctがゼロ近辺に集まる地区群です。旭丘(+0.5%)、中村(-0.4%)、早宮(-0.5%)、錦(-1.0%)、氷川台(-1.0%)などは、坪単価が区平均とほぼ一致します。これらは「練馬区の標準的な相場」を体現するエリアであり、購入検討時の基準点として使えます。プレミアムもディスカウントも小さいため、個別物件の築年数や管理状態が価格差を生みやすく、掘り出し物と割高物件が混在しやすいゾーンでもあります。
練馬区の坪単価を価格マップで確認 — 45地区の坪単価と区平均との差を地図上で見比べ、候補エリアの位置づけを把握できます。
下落局面だった2007〜2012年は、区全体で坪単価が約25%削られた時期です。ただし当時から地区差は存在していました。2007年時点で坪単価が高かった関町北(約343万円/坪)、羽沢(約332万円/坪)、田柄(約324万円/坪)、富士見台(約318万円/坪)といったエリアは、この局面で高い水準から大きく水準を落としていきます。逆に豊玉南(2007年約122万円/坪)や関町南(約136万円/坪)のように、もともと安く出発した地区は、この後の回復局面で伸びしろを残すことになりました。
2013年以降の回復・上昇局面で強かったのは、駅力のあるエリアと、出発点が低かったエリアです。石神井町・豊玉中・栄町といった上位地区が最高値を更新し続けた一方、豊玉南・関町南・高野台・土支田のような相対的に安かった地区が高い成長率を記録しました。全体の底上げが進むなかで、「もともと割安だった場所」ほど上昇率が大きくなるという、回復局面に典型的なパターンが練馬区でも見られたわけです。
2007年比の成長率で突出しているのが、豊玉南(+95.1%)、豊玉中(+90.2%)、練馬(+78.5%)、豊玉上(+77.6%)、関町南(+77.0%)、石神井町(+75.1%)です。共通するのは、豊玉・練馬という区東部の駅圏に属するか、あるいは2007年の出発点が低水準だったこと。豊玉南は約122万円/坪から約239万円/坪へ、豊玉中は約170万円/坪から約323万円/坪へと、坪単価そのものがほぼ倍化しました。安く始まった地区が実額でも大きく水準を上げた、という点で18年間の勝ち組といえます。
対照的に、2007年比でマイナス成長のまま戻り切れていない地区もあります。関町北(-29.9%)、谷原(-27.7%)、羽沢(-27.2%)、田柄(-21.4%)、高松(-21.4%)、富士見台(-19.7%)です。いずれも2007年時点では坪単価が高かったエリアで、下落局面で失った水準を18年経っても取り戻せていません。高値から出発した地区ほど回復のハードルが高く、区全体が最高値を更新するなかでも取り残された格好です。過去の高値が現在の割高感の温床になっている点は、購入・売却の双方で意識すべきポイントです。
| 項目 | 値(%) |
|---|---|
| 直近1年 | 8.2 |
| 3年 | 17.4 |
| 5年 | 17.5 |
練馬の地価騰落率を見ると、直近1年は+8.17%と力強い伸びを示しています。中古マンションの坪単価が2025年に前年比マイナス0.5%とわずかに反落したのに対し、土地の価格はなお上昇基調が続いているということです。マンション相場が高値圏で足踏みしているのは調整というより、地価という土台が支えているうえでの高値横ばいと読むのが妥当です。
中期で見ると、地価は3年で+17.41%、5年で+17.53%上昇しています。5年と3年の数字がほぼ同水準ということは、上昇のペースがこの2年ほどで加速していることを意味します。つまり足元の+8.17%は一時的な反発ではなく、中期トレンドの延長線上にある動きです。地価が下支えを続ける限り、中古マンション坪単価が2024年の最高値圏から大きく崩れる可能性は限定的とみられます。
ここで重要なのは、地価の騰落率は練馬区全体の平均的な勢いを示すにすぎない、という点です。実際の売買判断では、この短期・中期のトレンドを、先に見た地区別の成長率と重ねて考える必要があります。地価全体が上向いていても、関町北や谷原のように2007年比でマイナスに沈んだままの地区もあれば、豊玉中や豊玉南のように成長率+90%超で牽引してきた地区もある。全体の追い風と、個別地区の実力を切り分けることが、正しい相場観の第一歩です。
繰り返しになりますが、練馬区の中古マンションは地区間の坪単価差が最大78ポイント(石神井町+26.3%〜大泉町-52.1%)に達します。「練馬区の相場は約262万円/坪」という平均値は、あくまで45地区を均した数字にすぎません。石神井町の約331万円/坪と大泉町の約126万円/坪を同じ土俵で語ることはできない、という前提を最初に押さえてください。検討は必ず「区平均」ではなく「候補地区の水準」から始めるべきです。
購入側にとって、premium_pctがマイナスの地区は「安いから避ける」対象ではありません。ポイントは、安さが停滞によるものか、まだ評価が追いついていないだけかの見極めです。たとえば大泉学園町は区平均比-24.2%と割安ですが、2007年比の成長率は+46.6%と伸びています。一方、谷原は-21.3%で成長率も-27.7%と沈んだままです。同じ「区平均以下」でも中身は正反対。価格の安さと成長率をセットで見れば、伸びしろのある割安エリアを見分けられます。
売却側にとって、現在は2024年の過去最高値に近い高値圏です。とりわけ豊玉南(+95.1%)、豊玉中(+90.2%)、練馬(+78.5%)、石神井町(+75.1%)といった成長率上位の地区では、保有物件が取得時から大きく値を上げている可能性が高く、出口として有利なタイミングにあります。地価が直近1年+8.17%と上昇を続けているうちは相場の下支えが効いていますが、2025年の坪単価が前年をわずかに下回った事実は、上昇余地が細ってきたサインとも読めます。高値圏での売却を狙うなら、この横ばい局面を逃さない判断が求められます。
実践的には、候補地区を次の3軸で照合してください。第1に区平均との乖離(premium_pct)で、現在の割高・割安を把握する。第2に2007年比の成長率で、18年間で評価が上がってきた地区か停滞地区かを判断する。第3に地価の直近騰落率(1年+8.17%・3年+17.41%)で、足元の勢いを重ねる。たとえば石神井町は割高(+26.3%)だが成長率も高い(+75.1%)安定強含みの地区、豊玉南は割安(-9.1%)かつ成長率トップ(+95.1%)の妙味ある地区、と性格が見えてきます。3軸を並べれば、平均値では見えなかった地区の実像が浮かび上がります。
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