国土交通省が公表する公示地価をもとに、2025年までの3年間で地価の伸び率が高かった地区を順位づけました。全国1526件の地区の中で、どのエリアが上昇の勢いを見せているのかを見ていきます。
今回のランキングで際立っているのが1位の**箱根**です。3年間で+143.1%という伸び率は、2位の**白馬**(+66.4%)を大きく引き離しており、全国1526地区の中でも別格の水準にあります。1平方メートルあたり64,667円という価格自体は突出して高いわけではありませんが、上昇の勢いという点では今回のランキングを象徴する存在といえます。
3位以下には**千歳**(+64.9%)、**菊陽**(+60.2%)と続きますが、いずれも箱根の伸び率には及びません。上位陣の顔ぶれを見ると、観光地や地方の拠点都市が名を連ねており、地価上昇の背景が一様ではないことがうかがえます。
上位15件を見渡すと、知名度の高い大都市の中心部よりも、地方の中堅都市が多くランクインしている点が意外性として挙げられます。北海道では**千歳**(+64.9%)、**恵庭**(+49.9%)、**北広島**(+49.4%)、**江別**(+38.3%)と4地区が名を連ね、九州でも**菊陽**(+60.2%)、**熊本大津**(+42.7%)、**大野城**(+41.9%)、**古賀**(+37.2%)が上位に入っています。東京都心や大阪といった従来の地価上昇のイメージが強いエリアよりも、こうした地方都市の伸び率が上回っている点は、公示地価という指標ならではの発見といえるでしょう。
順位の顔ぶれを見渡すと、単なる都市の規模ではなく、特定の産業や交通の拠点としての役割を持つ地区が上位に集まっている点が共通しています。北海道の**千歳**や**北広島**、九州の**菊陽**や**熊本大津**は、いずれも大規模な工場進出や空港・鉄道といったインフラの整備が進むエリアとして知られており、こうした動きが地価の伸びに反映されている可能性があります。一方で**箱根**や**白馬**、**野沢温泉**のような観光地は、訪日需要や別荘需要の高まりが背景にあるとみられます。都心の**大阪西**や**京都下京**、**台東**のように、価格水準そのものが高い地区も含まれており、上昇率という切り口で見ると、価格帯や地域性の異なる複数の要因が絡み合ってランキングが形成されていると考えられます。