公示地価 上昇率ランキング1年(地区別・2025年)

国土交通省が公表した2025年の公示地価をもとに、地区別の変動率が高い順にまとめたランキングです。地価がどの地域で大きく動いたかを示しています。

首位は「白馬」、地方の観光地が上位を占める

1位となったのは**白馬**で、変動率は**+28.1%**、地価は19,457円/㎡でした。2位の**波佐見**も+26.5%と高い伸びを示しており、上位には価格水準そのものは高くないものの、変動率で大きく動いた地域が並んでいます。白馬は国際的にも知られるスキーリゾートであり、観光需要の高まりが地価の上昇率という形で表れたとみられます。

3位の**本宮**(+22.8%)、4位の**熊本大津**(+20.2%)と続き、上位10地区のうち多くが地方都市や観光地で占められている点も特徴です。都市部の代表格である**横浜港南**(8位、+17.3%)や**京都南**(11位、+16.7%)は変動率こそ上位に食い込むものの、地価水準自体は279,512円/㎡、490,217円/㎡と大きく異なり、上昇率ランキングが必ずしも地価の高さと連動しないことがわかります。

「熊本大津」「菊陽」にみる意外な顔ぶれ

上位15地区の中で目を引くのが、**熊本大津**(4位、+20.2%、55,900円/㎡)と**菊陽**(13位、+15.7%、80,033円/㎡)です。全国的な知名度で言えば大都市圏や有名観光地に比べて目立つ存在ではありませんが、両地区とも二桁台の伸び率で上位にランクインしています。地価水準を見ても熊本大津は55,900円/㎡、菊陽は80,033円/㎡と、突出して高いわけではない地域が大きな変動率を記録している点は、このランキングならではの発見と言えます。

上位に共通する「拠点性」という構造

顔ぶれを見渡すと、**白馬**や**野沢温泉**(5位、+19.6%)のような観光拠点、**石垣**(7位、+17.6%)や**宮古島**(12位、+16.0%)のような離島観光地、**熊本大津**や**菊陽**のような産業拠点周辺の地域が目立ちます。これらに共通するのは、単なる住宅需要にとどまらない「その地域ならではの目的地性」を持つ点です。観光客の集中や企業の立地といった、地価上昇率ランキング特有の要因が背景にあるとみられます。一方で**横浜港南**や**京都南**、**大阪西**(14位)、**中野**(15位)のような都市部の地区も上位に含まれており、地方の拠点性と都市部の希少性という異なる性格の地域が並存しているのが、このランキングの構造的な特徴と言えそうです。