全国の中古マンション値上がり率ランキング(2007→2025年・都道府県別)

ここで示すのは価格そのものの高さではなく、2007年から2025年にかけて坪単価がどれだけ伸びたかという『伸び率』の順位です。中央値で見ると、沖縄県が+181.1%でトップに立っています。

まず「平均値」でランキングを作ってみる

【平均値】全国の中古マンション値上がり率ランキング(2007→2025年・都道府県別)
順位都道府県2007→2025年 変動率2025年 坪単価取引件数
1広島県+216.4%217万円271
2沖縄県+163.4%160万円82
3長野県+91.4%143万円42
4宮城県+89.2%113万円565
5北海道+87.3%94万円1,274
6大阪府+86.2%176万円3,627
7福岡県+66.7%129万円1,550
8宮崎県+65.9%88万円59
9滋賀県+63.4%113万円113
10東京都+62.9%352万円10,123
上位10件を表示(対象31件)

平均値で集計すると、広島県が+216.4%で全国トップという結果になります。ただし平均値は、その年にたまたま成立した極端に高額な1件の成約があると、そちらに大きく引っ張られる性質があります。広島県が中央値のランキングでは12位(+55.5%)まで下がっていることは、平均値の首位が『多くの人が実際に買っている価格帯』の伸びをそのまま表しているわけではないことを示しています。

同様に、平均値で3位だった長野県も中央値では8位(+64.2%)に下がっており、取引件数が42件と少ないエリアほど、平均値が一部の高額成約の影響を受けやすいことがうかがえます。平均値のランキングは『特別な取引を含めた全体の変化』を映す一方で、実際に売れている価格帯の動きとはズレが生じうる点に注意が必要です。

同じデータを「中央値」で並べ直すと、顔ぶれが変わる

【中央値】全国の中古マンション値上がり率ランキング(2007→2025年・都道府県別)
順位都道府県2007→2025年 変動率2025年 坪単価取引件数
1沖縄県+181.1%153万円82
2福岡県+88.6%113万円1,550
3大阪府+88.3%149万円3,627
4宮城県+84.9%101万円565
5滋賀県+78.8%109万円113
6宮崎県+78.2%87万円59
7北海道+70.8%79万円1,274
8長野県+64.2%123万円42
9長崎県+64.1%96万円58
10東京都+63.5%316万円10,123
11京都府+62.4%143万円851
12広島県+55.5%103万円271
13埼玉県+51.5%129万円2,045
14岡山県+51.4%94万円96
15兵庫県+49.4%113万円2,036
16熊本県+49.3%78万円86
17千葉県+46.4%111万円1,774
18石川県+46.1%75万円61
19鹿児島県+45.8%106万円77
20神奈川県+45.7%172万円5,216
21香川県+42.7%62万円79
22岩手県+41.1%84万円48
23愛知県+41.1%93万円1,527
24岐阜県+40.9%78万円65
25大分県+37.9%78万円187
26新潟県+34.6%71万円155
27福島県+34.5%68万円96
28栃木県+32.9%84万円64
29山口県+24.8%68万円74
30群馬県+23.5%73万円73
上位30件を表示(対象35件)
全国の中古マンション値上がり率ランキング(2007→2025年・都道府県別)(上位8件)
項目値(%)
沖縄県181.1
福岡県88.6
大阪府88.3
宮城県84.9
滋賀県78.8
宮崎県78.2
北海道70.8
長野県64.2

中央値に切り替えると、平均値で首位だった広島県は12位に後退し、代わって沖縄県が+181.1%で1位に定着しました。平均値では圏外だった福岡県(+88.6%)や大阪府(+88.3%)が2位・3位に浮上しており、取引件数が1550件、3627件とそれぞれ多いことも合わせると、これらのエリアでは一部の突出した成約ではなく、市場全体として坪単価が底上げされてきたことがうかがえます。

中央値は、極端に高い(あるいは安い)1件の影響を受けにくく、真ん中に位置する取引価格の推移を映す指標です。そのため中央値のランキングは、投資的な特殊取引ではなく、普通の生活者が実際に購入している価格帯がどう動いてきたかをより素直に反映していると言えます。

このランキングの読み方

このランキングは「価格の高さ」ではなく「10年間の伸び率」の順位です。坪単価そのものが最も高いのは東京都(322万円)ですが、伸び率では10位。同じく高価格帯の神奈川県(20位)、沖縄県(1位)、大阪府(3位)も上位ではありません。すでに高い水準にあるエリアほど、そこからの伸びしろは限られます。

伸び率上位に見えるダークホースたち

中央値のランキングで目を引くのは、坪単価の水準そのものは東京都や大阪府ほど高くないエリアが上位に並んでいる点です。宮城県は坪単価101万円ながら伸び率は+84.9%で4位に入り、取引件数も565件と一定の厚みがあります。滋賀県も坪単価109万円で+78.8%と、大都市圏の隣接県でありながら独自の伸びを見せています。

一方で坪単価そのものが全国トップクラスの東京都(322万円)は、伸び率で見ると10位(+63.5%)にとどまります。参考データにある神奈川県も坪単価170万円に対し伸び率は20位(+45.7%)で、すでに価格水準が高いエリアほど、比率としての伸びは相対的に緩やかになる傾向がうかがえます。

上位エリアに共通する構造

中央値ランキングの上位には、沖縄県、福岡県、大阪府、宮城県といった、各地方の中核都市を抱える都道府県が多く並んでいます。これらのエリアは地方圏の中でも人口や経済活動が集中しやすく、中古マンション市場への需要が継続的に流入してきたことが背景にあるとみられます。取引件数が福岡県で1550件、大阪府で3627件と多いことも、一時的な特殊要因ではなく、幅広い取引の積み重ねとして坪単価が底上げされてきたことを示しています。

また、参考データで坪単価そのものが高い東京都や神奈川県、京都府が伸び率ランキングでは中位にとどまっている一方、沖縄県や大阪府のように坪単価の水準はやや下でも伸び率で上位に入るエリアがあることは、価格の『高さ』と『伸びやすさ』が必ずしも一致しないという構造を表しているといえそうです。