全国の中古マンション値上がり率ランキング(2015→2025年・市区町村別)

今回のランキングは、価格そのものの高さではなく、2015年から2025年にかけて中古マンションの坪単価がどれだけ伸びたかを示す『変化率』の順位です。**流山市**のように、もともとの価格水準が突出していなくても、大きく値を上げたエリアが上位に並びます。

まず「平均値」でランキングを作ってみる

先に見ていただいた平均値のランキングでは、**さいたま市岩槻区**や**東京都港区**、**渋谷区**といった顔ぶれが上位に入っていました。平均値は、その地域で成立したすべての取引額を単純に足して割った数字なので、極端に高額な1件が混ざるだけで全体が大きく押し上げられてしまう性質があります。

港区や渋谷区はもともと坪単価の水準自体が高いエリアですが、参考データにある坪単価順位を見ると、港区は伸び率では26位、渋谷区は35位にとどまっており、平均値ランキングでの順位とは差があります。これは、一部の超高額な成約が平均値を押し上げ、『実際に多くの人が買っている価格帯』の動きとはズレた結果を生んでいる可能性を示しています。

同じデータを「中央値」で並べ直すと、顔ぶれが変わる

中央値のランキングに切り替えると、顔ぶれは大きく入れ替わります。**流山市**は175.6%の伸びで引き続き首位を維持していますが、平均値ランキングで上位にいた**さいたま市岩槻区**や**渋谷区**は姿を消し、代わって**神奈川県三浦市**や**山梨県甲府市**、**千葉県鎌ケ谷市**といったエリアが新たに上位に入ってきました。

中央値は、取引を安い順に並べたときにちょうど真ん中に来る価格なので、一部の超高額物件に引っ張られにくく、そのエリアで『普通の人が実際に買っている価格帯』がどう動いたかをより素直に映し出します。今回の結果は、突出した高額成約に頼らずとも坪単価の水準そのものが底上げされてきたエリアが、中央値ベースでは上位に来やすいことを示しています。

このランキングの読み方

**このランキングは「価格の高さ」ではなく「10年間の伸び率」の順位です。**坪単価そのものが最も高いのは東京都 港区(628万円)ですが、伸び率では26位。同じく高価格帯の東京都 中央区(24位)、東京都 千代田区(49位)、東京都 渋谷区(35位)も上位ではありません。すでに高い水準にあるエリアほど、そこからの伸びしろは限られます。

上位に食い込んだダークホースたち

中央値ランキングで目を引くのが、**神奈川県三浦市**と**山梨県甲府市**です。三浦市は取引件数26件と決して多くはありませんが、101.5%の伸びで4位に入りました。参考データでは、三浦海岸駅近くの物件が5,500万円、築浅の物件が5,000万円で成約しており、海沿いの立地を求める層の需要がうかがえます。

甲府市も92.0%の伸びで5位につけています。参考データを見ると、築2019年・4LDKの物件が5,700万円で2件成約しており、同じ築年・同じ広さの物件がほぼ同水準で取引されている点から、地域内での価格の底上げが一過性のものではないことがうかがえます。

上位エリアに共通する構造

上位に並ぶエリアを眺めると、**千葉県柏市**や**流山市**、**福岡市東区**・**博多区**・**中央区**など、都心そのものではなく、都心へのアクセスが良い郊外や地方の中核都市が目立ちます。流山市はつくばエクスプレス沿線の再開発が進んできた街であり、福岡市の各区も都市機能の集積が進んできたエリアです。こうした立地は、都心の高額物件とは異なる価格帯でファミリー層の実需を集めやすく、それが坪単価の底上げにつながっている背景があるとみられます。

また、取引件数の多さも特徴的です。**福岡市中央区**は取引510件、**福岡市博多区**は347件と、取引件数が多い中で高い伸び率を記録しており、一部の特殊な成約に頼らず、広い母数のもとで価格水準そのものが上がってきたことがうかがえます。