湾岸エリアの中でも、資産性を意識する買い手からの注目度が高いのが江東区・有明のタワーマンションです。ここでは「シティタワーズ東京ベイセントラルタワー」を軸に、エリア相場・築年数・保有リターンの3つの視点から、購入と売却の判断材料を整理していきます。
シティタワーズ東京ベイセントラルタワーは、東京都江東区有明に立地する地上33階建てのタワーマンションで、竣工は2019年(推定)。2025年時点で築6年という築浅ゾーンに位置します。33階建てというスケール感は、湾岸エリアの中でも眺望・共用施設・管理体制の面で優位に働きやすく、資産価値を語るうえで無視できない要素です。
「シティタワー」は、大規模・高層・駅近といった資産性の高い立地に投入されることが多いブランドです。ブランドそのものが価格を保証するわけではありませんが、市場での認知度が高く、中古流通時に「名前で検索される」強みは、流動性と売却スピードの面でプラスに働きます。買い手にとっては安心材料、売り手にとっては値付けの根拠になりやすいシリーズだと言えます。
有明は、大規模商業施設・展示場・スポーツ施設が集積し、再開発によって「暮らせる街」へと変貌してきたエリアです。都心へのアクセスを保ちながら、湾岸ならではの開放感と新しい街並みを享受できる点が支持されています。こうした街の成熟が、後述する江東区全体の相場上昇を下支えしてきました。
個別物件の価格を語る前に、まずは土台となる江東区の中古マンション相場(坪単価=円/坪)の推移を押さえておきましょう。ここからの数値は、あくまで江東区エリア全体の相場であり、この建物単体の成約価格ではない点を最初に断っておきます。
江東区の中古マンション相場は、2007年の坪単価約187万円から、2025年には約391万円へと上昇しました。18年間でおよそ2倍超という伸びで、途中に停滞局面を挟みながらも、長期でみれば右肩上がりのトレンドが鮮明です。特に2020年の約281万円から2025年の約391万円への駆け上がりは、直近の勢いを象徴しています。
騰落率で見ると、その加速感はさらにはっきりします。直近1年で+11.7%、3年で+23.6%、5年で+24.6%。注目すべきは、5年で+24.6%の上昇のうち、直近1年だけで+11.7%を稼いでいる点です。つまり上昇のペースそのものが後半にかけて速まっており、相場が「じわじわ」ではなく「ぐっと」動いている局面だと読み取れます。
時系列を追うと、2012年の約183万円を底に、2015年の約225万円から明確な上昇トレンドに入りました。2020年に約281万円まで来た後、2021年はいったん約274万円へ小幅に調整。コロナ禍の一時的な踊り場です。しかしその後は2022年約299万円、2023年約317万円、2024年約347万円、2025年約391万円と再び力強く上昇し、踊り場が「押し目」に過ぎなかったことを相場が証明しています。
2019年竣工のシティタワーズ東京ベイセントラルタワーは、2025年時点で築6年。マンションの資産価値は、一般に築10年前後までの下落が緩やかで、築浅であるほど新築価格からの目減りが小さい傾向にあります。築6年というポジションは、まだ「新しさ」が評価され、設備の陳腐化も進んでいない、資産価値が落ちにくいゾーンにあると言えます。
湾岸のタワーマンションは、市場に検索される件数が多く、買い手層が厚いのが特徴です。ブランドと規模がそろった物件は、築年数が浅いうちほど「探している人にすぐ見つかる」ため、売却時の流動性が高くなります。流動性が高いということは、相場に沿った値付けなら売り時を逃しにくいということでもあり、資産としての扱いやすさに直結します。
とはいえ築年数の経過は避けられません。築6年から築16年へ向かう今後10年では、設備更新や大規模修繕のタイミングを通じて、相応の下落圧力がかかる局面も想定しておくべきです。ただし、これはエリア相場の上昇トレンドと綱引きになります。江東区相場がこれまでのペースを保てば、築年数による下落を相場上昇が相殺し、実質的な資産価値が維持される展開も十分あり得ます。
では、江東区の相場推移をもとに、保有リターンを具体的に試算してみましょう。以下はあくまでエリア相場で計算した参考リターンであり、この建物個別の実損益ではない点はあらためて押さえておいてください。
2020年に坪単価280.6万円で購入し、2025年に391.2万円で売却したと仮定します。差額は坪あたり110.6万円。仮に70㎡(約21.2坪)換算なら、含み益はおよそ2,300万円規模に達します。坪単価という尺度でも、この5年間の値上がり幅のインパクトは一目瞭然です。
リターン率にすると、5年保有で+39.4%。年率に均すとおよそ+6.9%に相当します。これは値上がり益のみの試算で、実際にはここに保有中の住居利用価値や、逆に管理費・修繕積立金・税負担が乗ってきますが、資産の値動きだけを取り出しても、この5年間の江東区相場は極めて良好なパフォーマンスを示したことになります。
この+39.4%という数字は、そのまま江東区中古マンション相場の平均的な伸びと重なります。有明を含む湾岸エリアは、都心の主要エリアと肩を並べる上昇局面をたどってきました。つまり、シティタワーズ東京ベイセントラルタワーが属するマーケットは、資産としての「地力」を備えたゾーンだと評価できます。より広い視野で近隣エリアと比較したい方は、地図から相場を確認しておくと判断がクリアになります。
直近1年+11.7%という数字は、「今が高値圏」であることを意味します。含み益が最大化しやすい今、売却してキャッシュ化するメリットは大きい。一方で、上昇が続けば「もっと待てばよかった」という機会損失のリスクも残ります。判断の軸はシンプルで、次に買い替える資産や、資金の使い道が明確なら「今売る」は合理的。目的なく保有益だけを追うなら、天井を当てにいくより流動性の高い今の環境を活かす発想が有効です。
買い手側で気になるのは金利です。金利が上がれば月々の返済負担は増し、価格上昇と逆方向の力が働きます。とはいえ、湾岸の築浅タワーは流動性が高く、金利が上がっても需要が急に消えるわけではありません。買い時の判断は「金利で総支払額がどこまで膨らむか」を具体的に試算し、それでも生活設計に無理がないかで見極めるのが現実的です。相場の勢いに乗るか、金利の落ち着きを待つかは、資金余力次第です。
有明を含む湾岸エリアは、再開発と大型供給が価格に影響を与えやすいエリアです。新規供給が集中すれば一時的に相場が重くなる局面もあり得ますが、街全体の利便性向上はエリアの評価そのものを押し上げます。中長期では、再開発は資産価値の追い風になりやすいと考えておくとよいでしょう。
2025年の江東区相場は坪単価約391万円と、過去最高圏にあります。「高い」のは事実です。しかし、直近1年+11.7%という勢いが続く限り、今の水準が数年後に「割安だった」と振り返られる可能性も否定できません。割高感を感じつつも、トレンドが上向きである点は、買い手にとって背中を押す材料になります。
築6年という築浅ポジション、シティタワーブランドの流動性、そして有明という再開発エリアの成長性。この3つがそろうシティタワーズ東京ベイセントラルタワーは、長期保有を前提とするなら、築年数による下落を相場上昇が支える構図が期待できます。18年で坪単価が2倍超になった江東区の歴史は、その見通しに一定の説得力を与えています。
最後に行動指針を。売却を考えるなら、含み益が乗る今の水準を前提に、近隣の相場と流動性を確認すること。購入を考えるなら、金利を織り込んだ総支払額の試算と、エリア相場の推移を突き合わせること。いずれも、まずは地図から周辺の坪単価をチェックし、自分の判断ラインを数値で持つことが第一歩です。