東京メトロ東西線「東陽町」駅を生活の拠点とするオーベル東陽町サウシア。2007年竣工、地上20階建てのタワー型マンションです。この記事では、江東区の中古マンション相場を軸に、この物件が立地するエリアの資産価値、そして2020年に購入し2025年に売却した場合の参考リターンまでを、具体的な数値で読み解いていきます。購入・売却を真剣に検討している方に向けて、判断材料を余さずお届けします。
オーベル東陽町サウシアは江東区に位置する、地上20階建ての大規模マンションです。竣工は2007年、築17年(2025年時点)を経過しています。東陽町エリアは東西線一本で大手町・日本橋へダイレクトにアクセスできる利便性の高い立地で、20階建てというスケール感は周辺の住宅群のなかでもランドマーク性を持ちます。免震・共用部の充実など、2000年代後半の分譲マンションらしい設計思想を備えた一棟といえます。
「オーベル」は大規模・タワー系の物件を多く手がけてきたブランドで、駅近立地や共用施設の充実を志向する傾向があります。ブランドとしての一定の認知度は、中古市場での流通のしやすさ、つまり売却時の買い手のつきやすさに寄与します。資産性を考えるうえで、ブランドの安定感は無視できない要素です。
築17年という数字だけを見ると「そろそろ価格が落ちる時期では」と感じる方もいるでしょう。しかし、後述する江東区のエリア相場は2015年以降むしろ上昇を続けており、築年数によるマイナスを立地とマーケットの力が上回っている状況です。築古=資産価値の下落、という単純な図式が当てはまらないのが現在の江東区マーケットの特徴です。
| 項目 | 値(%) |
|---|---|
| 直近1年 | 11.7 |
| 3年 | 23.5 |
| 5年 | 24.6 |
| 年 | 値(円/坪) |
|---|---|
| 2007 | 1,871,899 |
| 2008 | 1,916,909 |
| 2009 | 1,805,463 |
| 2010 | 2,070,755 |
| 2011 | 2,024,648 |
| 2012 | 1,827,356 |
| 2013 | 1,834,427 |
| 2014 | 1,966,576 |
| 2015 | 2,248,916 |
| 2016 | 2,353,540 |
| 2017 | 2,401,432 |
| 2018 | 2,500,265 |
| 2019 | 2,572,723 |
| 2020 | 2,806,410 |
| 2021 | 2,740,088 |
| 2022 | 2,987,279 |
| 2023 | 3,166,710 |
| 2024 | 3,469,428 |
| 2025 | 3,912,125 |
江東区の中古マンション相場(坪単価)は、2007年の約187万円/坪から2025年には約391万円/坪へと上昇しました。18年間でおよそ2.1倍という力強い伸びです。オーベル東陽町サウシアが竣工した2007年当時の水準と現在を比べると、エリアそのものの価値がこの間に大きく底上げされたことがわかります。
細かく見ると、2010年に約207万円/坪まで上がった後、2012年に約183万円/坪へ一度調整。そこから反転し、2019年に約257万円/坪、2020年に約281万円/坪、2023年に約317万円/坪、そして2025年には約391万円/坪へと段階的に切り上がってきました。
直近の伸び率を見ると、1年で+11.7%、3年で+23.6%、5年で+24.6%。注目すべきは、5年で+24.6%なのに対し直近1年だけで+11.7%と、上昇のペースがむしろ加速している点です。つまり過去5年の上昇分の多くが直近1年に集中しており、江東区マーケットが今なお勢いのある局面にあることを示しています。
2012年に約183万円/坪で底を打った相場は、2015年に約225万円/坪へジャンプします。以降は一本調子の上昇で、湾岸・臨海部の再開発、都心回帰の需要、そして低金利環境が重なり、江東区は「割安な都心アクセス圏」として買われ続けてきました。東陽町を含む東西線沿線もこの流れの恩恵をしっかり受けています。
江東区のマンション相場マップで価格を確認 — エリアごとの坪単価や相場推移を地図で直感的にチェックできます。東陽町周辺の水準感を把握するのに便利です。
東陽町は東西線で大手町まで約10分圏という好立地でありながら、豊洲や有明といった湾岸タワーエリアに比べると価格水準が抑えめでした。区役所や商業施設が集まる生活利便性の高さに加え、周辺の環境整備が進むにつれ、割安感が解消される方向で価格に反映されてきています。
江東区全体の相場は2025年時点で約391万円/坪。区内でも湾岸・臨海の新興タワーエリアは相場を牽引する一方、東陽町のような内陸の成熟エリアは、実需に支えられた安定した値動きが特徴です。派手さこそないものの、需要のブレが小さいぶん、保有中の価格の下振れリスクを抑えやすいという見方ができます。
築2007年前後の物件と比較する際は、駅距離・階数・管理状態が判断の軸になります。オーベル東陽町サウシアは地上20階建ての規模と管理体制を備えており、同世代の中規模マンションと比べても中古市場での競争力を保ちやすいポジションにあります。
直近1年で+11.7%という数字を見れば、含み益を確定させる「売り時」として魅力的な局面であることは間違いありません。特に2015年以前に取得した層にとっては、相場が2倍前後に達している今、利益確定の合理性は高いといえます。ただし上昇が加速している最中でもあり、「もう少し伸びる」という期待も同時に成立するのが難しいところです。
買い手の視点では、金利動向が最大の変数です。金利上昇局面では買える価格帯に上限がかかり、相場の上昇ペースが鈍る可能性があります。一方で東陽町エリアは新規供給が限られ、中古の希少性が下支えとなります。「金利が上がりきる前に、実需で長く住める物件を押さえる」という判断は依然として合理的です。
築17年の現在から築20年超を見据えると、大規模修繕のタイミングと相場の伸び率のどちらを重視するかが分岐点になります。相場が年+11.7%ペースで伸びるなら、修繕負担を差し引いても保有継続に分があります。逆に上昇が頭打ちになると読むなら、流動性の高い今のうちに売却して利益を確定する戦略が有効です。
江東区の相場で試算してみましょう。2020年の坪単価は約281万円、2025年は約391万円。仮に2020年に購入し2025年に売却したとすると、坪あたり約110万円の含み益が生まれた計算になります。なお、これはあくまで江東区のエリア相場をもとにした参考試算であり、オーベル東陽町サウシア個別の実際の売買損益を示すものではありません。
この試算のリターン率は+39.4%。5年間で投じた資金価値がおよそ4割増える計算で、同期間の預金や多くの金融商品を大きく上回ります。重要なのは再現性です。上昇の主因が金利環境とエリア需要である以上、同じペースが今後も続く保証はありません。とはいえ東陽町の立地とブランドの安定感は、下振れを抑える要素として機能し続けるでしょう。
では今(2025年、約391万円/坪)から購入する場合はどうか。過去5年の+24.6%、直近1年の+11.7%という数字がそのまま続くと考えるのは楽観的すぎますが、金利や供給の制約を踏まえても、実需に支えられた東陽町エリアは「持って安心」できる選択肢です。短期の値幅取りより、長期保有で立地の価値を享受する構えが、この物件には合っています。
オーベル東陽町サウシア(江東区・2007年築・地上20階建て)をエリア相場から読み解いてきました。ポイントを整理します。
上昇局面の今は利益確定の好機であると同時に、長期保有で立地価値を享受する戦略も有効です。金利動向を睨みつつ、ご自身の保有期間と目的に合わせた判断を。