Wコンフォートタワーウェストは、東京都江東区東雲一丁目に立地する地上40階建てのタワーマンションです。竣工は2005年(推定)。東京湾岸エリアのなかでも、豊洲・有明に隣接する東雲という好立地に構える大規模物件で、スケールメリットを活かした共用施設や眺望が特徴となります。まずはこの「湾岸・タワー・大規模」という3つの属性が、資産性を語るうえでの起点になります。
2005年築という年次は、湾岸エリアがタワーマンション開発によって本格的に住宅地として姿を変えていった時期にあたります。つまりこの物件は、東雲エリアのブランド形成を担った第一世代のひとつと言えます。40階建てという規模は、後発の供給が続くなかでも希少性を保ちやすく、特に高層階の眺望は他物件では代替しにくい価値です。築年が経過しても、立地とスケールに支えられた需要が下支えとなりやすい構造です。
2025年時点で築20年を迎えるこの物件ですが、湾岸タワーの中古市場では「築20年=価値の下落局面」とは限りません。むしろ立地に希少性があるエリアでは、相場全体の上昇に牽引されて築古でも価格が伸び続けるケースが目立ちます。後述する江東区の相場推移を見ればわかるとおり、この10年で坪単価は大きく水準を切り上げており、築年数のマイナスを相場上昇が上回ってきたのが実態です。
江東区の中古マンション相場(坪単価)は、2007年の約187万円から2025年の約391万円へと、およそ2.1倍に上昇しました。年ごとに追うと、2007年187万円 → 2013年約183万円 → 2019年約257万円 → 2025年約391万円と、2010年代半ば以降に上昇テンポが加速しているのがわかります。東雲を含む湾岸エリアはこの上昇トレンドの中心的な担い手であり、Wコンフォートタワーウェストが立地するエリアの底堅さを裏づけます。
変動率で見ると、直近1年で+11.7%、3年で+23.6%、5年で+24.6%という上昇ペースです。注目すべきは、5年の伸び(+24.6%)と3年の伸び(+23.6%)がほぼ同水準である点。これは上昇の大半が直近3年、とりわけ足元1年に集中していることを意味します。長くゆるやかに上がってきたというより、ここ最近で一気に水準が切り上がった相場だと理解しておくべきです。
時系列で振り返ると、2008年のリーマンショック後は2009年(約181万円)、2012年(約183万円)と低迷し、底ばいが続きました。そこから2013年以降に回復基調へ転じ、2020年には約281万円まで上昇。コロナ禍の2021年に一時約274万円へ小幅調整したものの、2022年以降は約299万円 → 約317万円 → 約347万円 → 約391万円と再加速しています。過去の下落局面が一時的な調整にとどまり、その後さらに高値を更新してきたのが江東区相場の特徴です。
東雲一丁目は、豊洲・有明とともに東京湾岸のタワーマンション集積エリアを形成しています。商業施設や物流拠点が整い、大規模マンションが並ぶ景観は、この20年の計画的な開発の成果です。生活利便施設が徒歩圏に揃い、ファミリー層・共働き世帯の実需が厚いことが、相場を下支えする最大の要因になっています。
湾岸エリアの資産価値を考えるうえで避けて通れないのが、新規タワー供給の存在です。新築が出れば中古との競合が生じる一方、東雲一丁目のように既に成熟した街区では、まとまった新規用地が限られ、供給過多のリスクは相対的に抑えられています。むしろ新築の販売価格が上がるほど、価格の割安感から中古タワーへ需要が波及し、Wコンフォートタワーウェストのような築浅を過ぎた大規模物件の水準を押し上げる効果も期待できます。
湾岸エリアは交通アクセスの改善余地が価格に直結しやすいエリアです。都心へのアクセス向上や周辺再開発の進展は、需要の裾野を広げ、坪単価をもう一段引き上げる潜在要因になります。逆に言えば、こうした将来材料をどこまで織り込むかが、購入判断のカギを握ります。直近1年で+11.7%という上昇には、実需だけでなく将来期待の一部も反映されていると見るのが自然です。
ここでエリア相場をもとに、保有リターンを試算してみましょう。江東区の坪単価は2020年に約280.6万円、2025年に約391.2万円。仮にこの相場水準で2020年に購入し2025年に売却したとすると、坪あたりの含み益は約110.6万円という計算になります。なお、これはあくまでエリア相場で試算した参考リターンであり、Wコンフォートタワーウェスト個別の実際の取引損益ではない点はご留意ください。
率で見ると、5年保有で約+39.4%の値上がりです。たとえば70㎡(約21.2坪)の住戸を想定すると、坪あたり約110.6万円の上昇は総額でおよそ2,340万円規模のインパクトになります。もちろん購入時期・物件条件で差は出ますが、2020年前後にこのエリアで購入した層が、結果として大きな含み益を得られる相場環境だったことは数字が示すとおりです。
この+39.4%という伸びは、江東区の中古マンション相場そのものの上昇率とほぼ一致します。つまり、Wコンフォートタワーウェストが立地するエリアは区の平均的な値上がりの波にしっかり乗ってきたということです。加えて、東雲・湾岸という需要の厚いエリアかつタワーという希少属性を考えれば、平均並み以上のパフォーマンスを期待する余地は十分にあります。
2024年の約347万円から2025年の約391万円へ、直近1年で+11.7%という上昇は明確な急騰局面です。すでに触れたとおり、5年の伸びの大半が足元に集中しており、相場は過去最高水準に達しています。この局面を「まだ上がる」と見るか「過熱」と見るかで、売り・買いの判断は分かれます。少なくとも、10年前や5年前の割安な水準ではないことは冷静に押さえておくべきです。
売却を考えるなら、この高値圏は有力な選択肢です。2020年前後に取得した場合、エリア相場ベースで約+39.4%の値上がり益が乗っている計算で、含み益を確定させる好機と言えます。ポイントは、上昇の勢いが鈍り始める前に動けるかどうか。過去のリーマン後やコロナ禍のように一時的な調整は起こり得るため、高値更新が続く今のうちに査定を取り、出口の選択肢を持っておくことをおすすめします。
購入する場合は、現在が過去最高水準であるという前提を踏まえたいところです。直近1年で+11.7%上昇した後だけに、短期での値上がり益を狙う買い方はリスクが高まります。一方で、東雲・湾岸の実需の厚さと供給の希少性を考えれば、長期保有・実居住を前提とした購入なら十分に合理的です。将来の再開発や交通改善という上振れ材料をどう評価するか、そして高値づかみを避けるための価格交渉ができるか——この2点が判断の分かれ目になります。